日本では里山や御神木等、森や木と人は親密な関係を築いてきました。現在でも国土の68%が森林で占められ、先進国の中ではフィンランド、スウェーデンに次ぐ高い森林率です。戦中・戦後に行われた植林による木々が使い時を迎え、化石エネルギーに頼らない循環型社会に向けて木を資源として見直し、木の暖かい表情や調湿性・加工性等を生かしながら、防火性能や耐久性に関わる勘所をしっかり押さえて有効に使っていきます。
三角シンプル軸組による多様な空間で 森に遊ぶ
Villa Yoshino
有明山麓の緑あふれる森のなかに建つ小さな集落のような貸別荘です。
シンプルな三角屋根
なんとなく見覚えのあるその単純な形に
自然と安心感を覚えます。
屋根と壁が一体となっている三角フレームは、一般的な建物と比べ、接点が少なく構造的にも強い形です。
型に組み上げた構造材をクレーンで吊り上げる。
構造材にはプレカット製作限界の 長さ6mの米松集成材を用いています。
三角フレームの構造体がそのまま内部空間をかたちづくり、その中で過ごすことが、この場所の特別感につながっています。
内装仕上げも森の中の雰囲気に合うよう自然素材とし、構造材は塗装色を変えることで空間のアクセントを持たせています。
構 造 木造
階 数 2 階
延べ床面積 180㎡(宿泊棟3棟)
竣工年月 2020年8月
工 期 6ヶ月
意匠設計:株式会社 倉橋建築計画事務所
施 工:原田建築工房(株)