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山あいの温泉街を魅力的にする「鄙(ひな)び」な増改修
松之山温泉 ひなの宿ちとせ
旧館の老朽化が進む中、バリアフリー化やベッド客室などの新たなニーズに応えたい。また、温泉の魅力をもっとお客様に味わっていただくために新たな温泉設備を整備したい、食事処の鉄板焼きカウンターなど新たなサービスを提供したい…。
こうしたご要望を受け、旧館を解体しての新たな増築とともに、両脇の既存棟をリニューアルしました。

増築棟の1階の半分は、雨や雪に濡れない車寄せ、道路と1階のレベル差を解消するための階段とスロープのあるアプローチ空間としました。裏山につながるガラス張りのラウンジは、まるでショーウィンドウのようにお客様を奥へと導き入れます。

食事処は、間仕切柱受けに古材の梁を用い、客室は骨太な木の造作仕上げとして、日本有数の豪雪地松之山の「鄙(ひな)び」を表現しました

所在地:新潟県十日町市 松之山野温泉
工事種別:増築、改修
工事面積:増築:約730㎡、改修:約530㎡
工事期間:H23年10月〜H24年7月

用 途:旅館
構 造:RC造、一部S造
施工者:植木・高橋共同企業体
担 当:小宮山・池田

今回のリニューアルにおける当社のテーマは『災害にも強い宿づくり』。
これを持って倉橋英太郎設計事務所にご相談させて頂いたのは平成22年の春の事でした。
そして、この夏出来上がった建物は、随所に骨太感のある雪国らしさがあふれ、私たちの想像以上の意匠が施されているものでした。特に私が感じている事は、ディテールに至るまで、全てがお客様目線のデザインである事。当初のテーマ以上に、ハードによる構造の強さはもちろんの事、ソフトによるコンセプトの強さを、思う存分発揮できる建物になったと喜んでおります。
この建物にゆるぎない魂を入れるのは私の役目です。
専務 柳 一成