二期工事
一期工事で手付かずだった外観から玄関ロビー・ラウンジに掛けてのイメージUPと個室の食事処を作りたいとご依頼がありました。
個人のお客様の利用が増えたことによって使用頻度の少なくなった大広間を個室型食事処に改修しました。オープンキッチンのある食事処とは異なるイメージで石をテーマに最大8席の個室を13室設けました。内10室は可動間仕切りで区切られており隣り合う部屋を繋げて利用できます。
外観は昔の雰囲気を隠すよう格子を2階部分に取り付け、瓦屋根は鋼板に取り替え内装のイメージに合うようモダンな装いとしました。
玄関棟2階に水廻りの老朽化のため使われていない客室が4室ありましたので1階部分を改修するタイミングで配管をやり直しベッドルーム客室を3室設けました。
また玄関ホール上部の倉庫は床を抜開放的な吹き抜けとし、売店と事務室の位置を入れ替えることでフロント機能を止めることなく短時間での玄関周りの改修が可能となりました。
客室、食事処はそれぞれ雰囲気を変えリーピータのお客様にも飽きのこない空間づくりを行なっていますが共用部の色合いは揃えることで旅館全体に統一感が生まれました。
工事種別:改修工事
工事面積:1867㎡
工事期間:H30年1月〜H30年6月
用途:旅館
構造:RC造5階建て
施工者:新発田建設(株)
担当:竹内慶和
所在地:新潟県新発田市月岡温泉
「旅館業とは?」
長年先代から引き継ぐまで自分なりに考えてきたキーワード
先代が歩んできた時代背景、そして今自分が置かれている環境そのすべてを次に引き継ぐため設備投資の機会を様々な形でたくさんの方や会社に相談し行きついたのが倉橋英太郎先生でした。
先生は旅館の成り立ちや周辺環境を五感で感じ形にするスペシャリストとしてテレビや業界で活躍しているのを拝見し、この人以外にはいないと思い相談しました。するとすぐに来館頂き、そして当館や温泉街のリサーチ、時間を忘れ夜遅くまで仕事に没頭する姿に感銘を受けました。そして、いただいた提案はまさに理想の形、周りの環境と景観を取り込んだデザインにすぐに契約をさせていただき設計へと進みました。その矢先、青天の霹靂といえる出来事それは英太郎先生の他界の知らせでした。信じられない気持ちと不安がよぎり何も手につかない状態でした。
今後どうするか自問自答した結果、このまま進めることこそが英太郎先生への恩返しと思い先生のサポートを入社以来続けている竹内主任に本設計デザインを担当いただきました。今回は三世代交流、ユニバーサルデザイン、禁煙室をテーマに13室のコンセプトルームと、会議場と宴会場フロアーをオープンキッチンレストランへと変更しました。残りの22室の標準客室は水回りや表装を中心に改装計画するとともに、施工会社入札選定などすべての面で倉橋設計に携わっていただき、半年に及ぶ工期へと突入。その間親身に誠心誠意設計施工管理頂く中、様々な施工変更と追加工事など気が付けば手を付けなかったところは180畳の宴会場と一階ロビーラウンジ位となり、結果すべての客室38部屋を改装するに至りました。
様々な出来事の中、出来上がった設備は想像をはるかに超える出来栄えとデザインであり本当に感謝感激しております。経営面ではネットエージェントを中心とする口コミ評価も上がり、また売り上げも昨年実績比120%〜145%と計画を上回る伸びとなり設備投資をしてよかったと改めて感じております。
次期は残りの外観とロビーエントランスを中心に改装したいと思い倉橋設計事務所に相談を始めようと考えております。